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急性腸炎

ここでは一般的な感染性腸炎について説明します。症状としては腹痛、下痢、悪心、嘔吐、発熱、脱水などがあります。細菌性、ウイルス性腸炎がほとんどを占め治療の基本は、輸液などの対症療法です。注意したいのは下痢止め、鎮痙剤などは使用しないほうが良いということです。一時は楽になりますが逆に症状を停滞させる可能性があるからです。自宅では水分補給、消化に良い食事(刺激物、高脂肪食は避ける)を心がけます。それでも症状の悪化などがあれば、腸を休ませるため食事を止めて、点滴治療をするとよいでしょう。

細菌性腸炎の主は食中毒で、夏季に多いです。感染した細菌の種類によって潜伏期、発症形式などが異なってきます。食後1〜2時間から症状が出るものもあれば数日経ってからのものもあります。中には重症化する腸炎もあるため注意してみていきます。

ウイルス性腸炎は冬〜春にかけて小児に多く発症します。ウイルスの種類としては、ロタウイルス、ノロウイルスが多いです。最近は大人のノロウイルス感染も増えてきているため食事前の手洗いをしっかりしていきましょう。ちなみに急性腸炎で入院した場合、だいたい2〜3日の禁食後、ゆっくりと食事療法を開始していき計5日間ぐらいの入院治療が平均的です。

なお、病院を受診した際は、思い当たる食事はなかったか、発症時の状況はどうだったか、渡航歴はないかなどを詳細にお聞かせいただけると診断の重要な手がかりとなりますのでご協力のほどよろしくお願いいたします。

機能性ディスペプシア(FD)と過敏性腸症候群(IBS)

共通していえるのは、両疾患とも「器質的疾患を認めない」ということです。要は検査して異常なしと言われたにも関わらず、腹部症状があればFD、IBSの可能性があるということです。胃の症状が強ければFD,腸の症状が強ければIBSの可能性があります。珍しい病気かといえば、そのようなことはなく有病率はIBSに関していえば一般人口の10〜15%前後とされています。病態としては何らかの原因(社会的・精神的ストレスなど)により消化管の機能異常を起こしていることが考えられます。そのため治療法も多種多様にあり、その人その人に合った治療薬が選択されます。この病気にはこの薬が効くではなく、患者さまの症状・背景などを考慮してFD,IBSが強く疑われた場合、主治医が詳細な問診をし、その症状に合わせた治療薬を選択、そして慎重に経過をみていくというような診断的治療が推奨されています。

ここで重要なのは主治医との信頼関係です。お互いの信頼関係なくして、FD,IBSの治療はできないということを覚えておいてください。前述の通りFD,IBSは決して珍しい病気ではなく、ごく普通にみられる疾患なので、絶えず腹部違和感、便通異常などを有している方は一度外来を受診のうえ相談していただければと思います。

大腸ポリープ

ポリープのタイプは、腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープの2つに大きく分かれます。さらに、腫瘍性は腺腫、腺がんに、非腫瘍性は炎症性、過形成性などに分類されます。治療の適応は5mm以上の腫瘍性ポリープです。非腫瘍性で5mm以下の腫瘍性ポリープに関しては定期的経過観察が基本となりますが、例外として5mm以下であっても、ポリープ表面の性状が見るからに悪性を疑う場合には(内視鏡診断ではPit診断というのですが)、内視鏡的もしくは外科的な切除が推奨されます。

大腸ポリープは全人口の10〜15%、65歳以上の30%に認められ、そのうちの80%が腺腫(腫瘍性ポリープ)です。家族歴に大腸がんおよび大腸ポリープの既往がある(稀に遺伝性のものがあるため)、検診で便潜血反応陽性、日頃から便通異常、腹痛などの症状があるなど、少しでも心配な点があれば一度大腸の検査をすることをお勧めします。

当院では年間約400件の大腸カメラを施行しており、内視鏡的治療はその内70件程です。入院期間は通常1泊2日で行なっております。安全面という点で入院治療を行なっており、合併症の発生状況次第では入院期間を延長する可能性もあることなど、ご理解の程よろしくお願いいたします。